《就任後は週1回、官邸で安倍首相と昼食をともにして意思疎通を図った。首相動静に載る形を取ったのは、密な連携を党内にアピールするためだ》

 安倍さんと(谷垣氏の前任の)石破茂元幹事長は、何だか波長が合っていなかったですよね。せっかく与党に戻ったのに、あれでは収まるものも収まらなくなるのではないかと、陰ながら心配していました。

 政治家ですから、隠れて会って話をつけることもないわけではありませんが、総理総裁と幹事長は、表に見えるところで頻繁に会うことも大事なんです。「私たちは常に腹合わせをしていますよ」という外へのメッセージになりますから。

 昼食会では、かしこまった議題は設けず、蕎麦やカツカレーなどを食べながら、よもやま話の中で党内の様子を報告しました。それまで安倍さんとはあんまり付き合いがなく、どんなことを考えている人なのかよく知らなかったのですが、いろんなことに思い入れがあって、よく考えておられるんだなと思いましたね。「谷垣さんがおっしゃったあれですけど……」と切り出されて、「これについては相当、安倍さんも考えてきたんだな」と感じたこともありました。