社会のあり方に関心を持ち、それを変えようとする行為は、共産党によるもの以外は、すべて社会の不安定要素として危険視される。国外にいる別の女権活動家は「女権主義は、この社会のメインストリームと政府に歓迎されていない。共産党政権が支配する秩序と女権主義の主張との衝突は不可避のものだ」と踏み込む。
このようにMeToo運動に対する圧力が徐々に強まり、2018年5月ごろには「被害を訴える」という動きは一時的に少なくなった。
ところが7月に入ると、運動の舞台は大学からNGO、メディア、宗教界などに一気に広がった。女権主義者らがまとめた統計では、2018年上半期には少なくとも32件の被害の告発があり、このうち22件は7月に集中している。1人の告発が別の被害者の背中を押して告発を促すかたちとなり、同年7月は中国のMeToo運動にとってひとつのクライマックスとなった。
性加害で告発された
NGO関係者や著名記者
注意すべきなのは、7月(とくに下旬)に相次いだ告発はNGO関係者や政府に批判的なジャーナリストが加害者側とされる事案が多かったことだ。