JALが経営改善できたのは
1%の数字までこだわったから

 このような数字への厳しさは、JALでも同じでした。当初、毎月3日間にわたり開催されていた業績報告会では、部門ごとに売上科目ごとや経費科目ごとの予定が100%達成できないと、稲盛さんはその理由を厳しく追及していました。その結果、月次予定を100%達成できる責任感があり、しかも数字に強いリーダーが育っていったのです。

 稲盛さんはアメーバ経営を正常に機能させ、全員参加経営を実現させることができれば、どのような事業でも成長発展させることができると話しています。

 一方で、アメーバ経営を単純に業績アップのための便利なツールとして形だけ真似して、結果として正常に機能させることができなければ、リスクもあると率直に話しています。

 たとえば、アメーバリーダーが自部門の利益ばかりを考えて利己的な経営判断をするようになると、他部門との軋轢が生まれ、会社がバラバラになってしまうというのです。