スズキが唯一過去最高益を見込む
好調の背景は?
11月11日のいすゞ自動車の決算発表で、自動車メーカーの2025年3月期上半期決算(24年4~9月)がすべて出そろった。世界の主戦場である中国・米国市場の販売競争激化や開発投資増加が重荷となり、総じて業績後退トレンドが強まる中で、唯一、通期予想を上方修正し過去最高益を見込むのが、スズキである。
スズキの25年3月期上半期の売上高は2兆8550億円(前年同期比11.7%増)、営業利益は3349億円(同40.7%増)、純利益は2175億円(同43.9%増)の増収増益となった。
これにより、25年3月期通期では、純利益が前期比10.4%増の3500億円を見込むことを発表した。従来予想の3100億円(同2.2%減)から400億円上方修正して、一転増益となる。スズキは25年3月期から国際会計基準に移行しているため単純比較はできないが、純利益は日本基準で過去最高だった前期の2677億円を上回り、過去最高の更新を見込むことになる。
上半期では4期連続の増収増益となり、通期で過去最高益を見込むなど、業績が好調なスズキ。トヨタ自動車を筆頭に、業績の下振れ感が強まる日本車メーカーの中でも、際立つ存在となっている。
なぜ、スズキの業績はここまで好調なのか。