紙の保険証は12月2日から発行停止!「マイナ保険証」のない人はどうしたらいい?写真はイメージです Photo:PIXTA

2024年12月2日から、健康保険証が原則的に「マイナ保険証」に一本化される。『医療費の裏ワザと落とし穴』288回は、この制度変更に伴い、私たちが支払う医療費の自己負担にはどのような影響があるのかを解説する。(フリーライター 早川幸子)

マイナ保険証と健康保険証
支払う医療費に違いはあるか

 2024年12月2日以降、新たに健康保険証は発行されなくなり、原則的に「マイナ保険証」に一本化される。

 これまで、国はマイナ保険証の普及を促すために、マイナ保険証を使った方が健康保険証を使うよりも医療費が安くなるような誘導策をとってきた。

 だが、12月から制度変更に伴い、マイナ保険証に関する医療費も見直される。私たちが支払う医療費の自己負担額は、どのように変わるのだろうか。詳しく見ていこう。

 マイナ保険証は、マイナンバーカードの個人認証機能を使って、その人が加入している公的医療保険の資格情報を確認するものだ。導入の背景には、日本のデジタルトランフォーメーション(DX)の立ち遅れがある。

 特に医療分野の立ち遅れは顕著で、コロナ禍では医療機関と保健所などの関係機関をつなぐネットワークの貧弱さが明らかになった。そこで、DX化によって医療現場の業務効率をあげ、安心・安全で質の高い医療を提供していくために、2021年10月からマイナ保険証の本格運用が始まったのだ。

 普及策の1つが「マイナポイント」の付与で、マイナンバーカードの新規取得、健康保険証としての利用登録、公金受取口座の登録をした人に、合計2万円分の助成が行われた。

 もう1つが診療報酬による誘導だ。22年4月の診療報酬改定で、外来診療の基本料金である初診料・再診料にマイナ保険証に関連した加算がつけられ、オンライン資格確認システムなどの普及を目指すことになったのだ。