ただし、緊急の連絡には対応できるようにしておくことも忘れてはいけません。例えば緊急時には、メールやチャットではなく電話で連絡してもらうよう、予め周囲に伝えておくことも一案です。また、チャットアプリなどでは、緊急のメッセージがある場合に特定のキーワード(例:「緊急」や「至急」など)を入れてもらうようにし、そのキーワードが含まれているメッセージだけ、通知を受け取るように設定するのも1つの方法です。

 タイムブロックやバッチ処理を行う時間の長さにも注意が必要です。タイムブロックをあまり長く設定してしまうと、その間、重要な連絡を見逃す可能性もあります。急を要する連絡が入る可能性がある場合は、タイムブロックを短めに設定し、定期的に通知をチェックすることで、バランスよく対応できるようにすることができます。

 スマホなどに来る「重要だが緊急ではない」通知を見過ごさずに後でまとめて処理するには、通知をそのままスクリーンショットで撮影しておくと便利です。スマホのポップアップで表示される通知には、再通知されないもの、再表示できないものが多く、メールやチャットツールなど、どの手段で連絡があったか、記憶を頼りに探ろうとすると余計な時間がかかってしまう恐れがあります。後からスクリーンショットをスマホの写真アプリなどで確認すれば、すぐにどのツールでどんな通知があったか見返すことができる上、優先順位の高い連絡から対応することができて効率的です。

通知管理の失敗が
もたらす組織的リスク

 通知管理は生産性向上だけでなく、組織におけるリスク管理の観点からも重要です。

 恥ずかしながら私自身も、通知管理では失敗したことがあります。私が使うオンラインカレンダーでは、ミーティング開始時間の少し前に通知を送るように設定できるのですが、ある日、重要なミーティングが始まっていることに気づかず、大幅に遅刻してしまったのです。これはミーティングの前に一時的に通知をオフにしたのを、再度有効にするのを忘れていたため起きたことでした。結果として、チームにも迷惑をかけてしまいました。