見えてきた課題
ただ、いくつか課題も感じた。この人手不足のご時世、わざわざ人間が配膳するのは、店舗を運営する店長としては頭の痛い問題だろう。価格も、高級メニューに走ろうとして、結局コスパに走ったようなイメージだ。
ガストのフレンチコースが、これからの大きな戦略の中に明確に位置付けられているのなら良いのだが、単発では「ガストに高級メニューがある」というイメージはつかないし、コスパ重視の客にフレンチコースは厳しい評価を受けそうだ。
レストラン経営では、レベニューマネジメントが必要な業態である。
レベニューマネジメントとは、「商品やサービスを最も効果的に売り、できるだけ多くの収益を得る方法」を指す。この手法は特に「期限がある商品やサービス」に適しており、航空業界での成功がきっかけとなり、ホテルやレストランなどの業界でも注目されるようになった。
たとえば、飛行機やレストランの空席は、お客が座らないとそのまま無駄になってしまう。飛行機が出発した後や、レストランの営業が終了した後では、その空席で売り上げはあげられないからだ。
このような「期限付き」の商品やサービスを効率よく販売するため、レベニューマネジメントでは需要に応じた価格設定が重要となる。
ガストのような低価格帯のレストランでは、以下のような特徴があることが調査(「レベニューマネジメント、ヘドニック・プライスモデルとオペレーション属性の効果」)でわかっている。