おいしさも、接客も、雰囲気づくりも過剰
・低価格レストランでは、顧客は「雰囲気」「料理の品質」「サービスの品質」について、逆U字型の満足度を示す。
・高価格帯のレストランでは、食事だけでなく「特別な体験」を求めるため、雰囲気がその体験価値を大きく高める要因となるが、低価格レストランでは清潔感や快適さなどが基本的な期待値を満たせば、それ以上の豪華さを追求しても価格評価に大きな変化はない。
・ファミリーレストランなどでは「十分おいしい」段階を超えた品質向上は、顧客が価格に見合わないと感じる可能性が高い
・スピーディーで正確なサービスが求められる低価格帯では、基本的なサービスの改善が価格にプラスの影響を与える。しかし、一定以上のサービス水準(たとえば、過剰な接客)はコスト増加に繋がる一方で、価格評価への影響は少なくなる。
こうしたことを考えると、このガストのフレンチコース戦略は「おいしさも、接客も、雰囲気づくりも過剰」ということになる。真面目なものづくりをする上で、しっかりとしたフレンチシェフに監修してもらい、律儀に配膳、料理説明をするのも良いところはあると思う。
配膳する手間をかけるのなら、デザートに花火でも刺してインスタ映えを狙う。もしくは、せっかくハンバーグを店で焼いているのであれば「炭焼きレストランさわやか」のハンバーグのように、目の前で焼くような演出を仕掛けていく方が、努力として正しい方向性なのではないだろうか。
値段からしてコスパはとてもいいし、総じておいしいのだが、ガストの客に受け入れられるのか少々心配だ。