高校の施設を使って
試作品作りから起業
叶えたい夢がある。だから、一歩踏み出す。
それだけです。先日、日本でのイベントでスピーカーとして登壇した日本人の起業家がいました。まだ若い女性ですが、高校生のときに、肌が弱くて市販の化粧品が使えない妹でも使える化粧品を作りたいと、学校の施設を使って試作品を作り始めます。そこから、あっという間に起業してしまうのです。ここで、「当たり前の大人」ならどうなるでしょう。
・市場調査をしてみよう
・競合となる大手化粧品会社の状況、同じような自然派化粧品会社の状況を調べよう
・薬機法について調べよう
・製造は工場に委託することになるから、誰かの助けを借りなければ
・販路はどうしよう、広告はどうしよう
・売れるだろうか
こんな不安が当たり前に頭をよぎります。そして、もしこの女性がそのような考え方の持ち主だったら、それぞれの「専門家」の話を聞き、周囲の大人に相談し、資金集めをどうしようかと悩み、あっという間に10年が過ぎ、どこかの化粧品会社で働いている、かもしれません。
それはそれで、一つの方法です。大手化粧品会社のリソースを使って、「肌が弱い妹でも使える化粧品を作る」という選択肢も十分すぎる価値があります。
しかし、その彼女は、こともなげに、起業し、化粧品を作り、販売しています。「資金集めはどうしましたか」「薬機法にはどう対応しましたか」「製造工場などはどうやって探しましたか」、こんな質問には、実はまともな答えは返ってきません。
当たり前すぎる
夢を実現する行動
「そこは、周りの人が助けてくれたんです」
と笑うのです。もしも彼女が、行動する前に、一歩踏み出す前に周囲の大人に相談していたら、「どうしたらいいですか」と聞いていたら、ほとんどの大人は止めたかもしれません。
「ちゃんとお金をためてからやったほうがいいんじゃない」
「手伝ってくれる人を集めてから」
「専門的なことを勉強してから」
「どうせ無理だから」
しかし、彼女は聞かなかった。いえ、聞かなくても、そういったことを言う大人はいたはずです。でも、意に介さなかった。なぜなら、彼女にとって、「夢を実現するため」の行動は当たり前すぎることであり、起業はその手段にすぎないからです。
何を悩むことがある?そう感じていたでしょう。
一方、踏み出して行動する彼女の周囲には、それを手伝おう、一緒に夢を叶えようとする人が集まってきます。5人の変態(編集部注/変化を常態とする人)も集まってきたはずです。それぞれの専門性をもつ同志です。事務的なことが得意な人もいたでしょうし、薬機法に詳しい人、製造業に詳しい人、資金調達に長けた人、マーケティングの専門家、多様な人がどんどん集まってきたでしょう。