坂:いえ。沖縄に来たのは今から約10年前です。
E-2Cを41年前に青森三沢基地へ配備したのは、ズバリ冷戦時代の対ソ連のためだった。10年前からの沖縄に配備されるようになったのは、尖閣問題以降飛来数が激増した、対中国ということになろう。
肝心なことがある。中国機が増えたからといって、その分ロシア軍機の飛来数が減るわけではない。両国からの飛来数を合わせれば着実に増加しているので、早期警戒機の拡充は急務なのだ。
F:実際にはどのようなタイミングで飛ぶのですか?地上のレーダーで監視していて、「国籍不明機が飛んできたぞ」となったら急いで飛び立つ感じですか?
坂:詳細なタイミングについてお答えすることはできません。対象機が低空に降りてしまったりすると、地上のレーダーではなかなか見づらいところが出てくるので、我々が上がって低い高度の航空機等を監視しています。
F:例えば先日の中国軍機による史上初の領空侵犯の時はどうしていたのですか?ここ(那覇基地)から飛んでいったのですか?
坂:申し訳ありませんが、お答えすることはできません。ただし、一般論で申し上げれば、距離が遠くなれば行き来の時間が長くなり、見る時間が限られるという制約もあります。
F:や、そうか。行くだけでなく帰ってこなければいけないから。
坂:そのとおりです。プロペラ機のE-2Cは飛行速度が遅いので、警戒監視に関しては同じところにゆっくり留まれる利点がありますが、距離が遠くなるとそこに行くまでの時間もかかるので、一長一短です。