また、「ナナメの関係」を作ることも大切です。その子よりも年齢が少し上の、きょうだい・いとこ・近所のお兄さんお姉さんなど信頼する人に、「もしかしたらうちの子から相談されるかもしれないけど、そのときはよろしくね。私にも相談してね」と話して関係を作っておく。子どもに「もしお母さんに言いづらかったら、○○さんに相談していいからね」と道を作ってあげて、行きやすくしてあげます。
犬山 「ナナメの関係」を作っておくことの大切さは、性教育だけでなく、さまざまな子どもの困りごとに必要だとよく言われています。私自身、親に言いたくない恋愛や性にまつわる悩みは2つ上の姉に相談していました。性の悩みから子どもを孤立させないために、今からできることをしておきたいです。
性教育は何歳から?
どのように教えたらいい?
SHELLY 2、3歳の時点でプライベートゾーン(水着で隠れる部分と口)は理解しておいてほしいと思っています。お風呂に入っているときがチャンスで、そのときに「ここは耳とか肘とは違うんだよ。プライベートゾーンは特別な場所なんだよ」ということを認識させます。「人に見せたり触らせたりしないし、人のものを触ったり『見せて』って言わないんだよ」と伝えます。
本当に悲しい話ですが、やっぱり小児性犯罪者は子どもがいる場を好むので、保育士やコーチや先生になる人がいます。だからたとえ先生でも、プライベートゾーンを触ってきたらNOって言っていいんだよと伝えます。
「自分の体を触っていいのは誰?」と、子どもに質問もします。すると「お医者さん」などと答えるのですが、「お医者さんでも、必ずお母さんがいるところでしかだめだし、それは理由がないとだめだよ」と伝えます。医者じゃない人が医者を名乗っている危険性もありますから。
何歳のときにどこまで教えるかの基準は、WHOやユネスコ、ユニセフなどが共同で発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に載っているので、それを参考にするのもいいと思います。
保護者が教えないままだと
子どもが傷つくことに
SHELLY 私もそれを見て、上の子が性行為について教えてもいい年齢だったので、産婦人科医の高橋幸子先生が監修している『性の絵本』で教えました。具体的に性行為について描かれているのでちょっとドキっとしましたが、でも、逆に恥ずかしがらず、普通ですよって教えるほうがいいかなと思って。