株式を一切扱わない
米国債と米ドル建て社債専門の証券会社

 そもそも本書の著者である中川氏が経営するFPL証券とは、2016年に北海道では57年ぶりに誕生した新しい証券会社です。名称は証券会社ですが、株式は一切扱わず、専ら米国債と米ドル建て社債をメインに取り扱っています。株式を扱わない理由の一つに著者は「お客様に過分なリスクを取っていただきたくないという思いがあるから」と語っています。

 さらに、北海道札幌を拠点としていますが、お客さまは全国47都道府県すべてにいらっしゃると言います。

 著者が証券会社を設立するにあたり「欧州の富裕層はどのような資産運用をしているのか」を知るためにスイスに勉強に行き、スイスのプライベートバンクは欧州の富裕層たちから膨大な資産を預かり運用している事実を知り驚いたと語っています。欧州富裕層の運用ノウハウを知ることで「日本の皆さまの資産運用にも役立つのではないか」と考えたと言います。

 さらに著者は「われわれには想像もつかないほど莫大な資産を持っている富裕層ですから、さぞや運用利回りの高い投資商品に多額の資金を投入しているのではないかと考えていました。ところが意外や意外、富裕層の資産運用ポートフォリオの大部分が投資商品の中でも非常に堅実な米国債などの債券で占められていたのです」と、欧州富裕層の運用に大きな驚きを感じたと言います。

 欧州の富裕層には「リスクを取って、資産をもっと大きく増やそう」という発想ではなく、今ある資産をいかに減らすことなく、手堅く増やしていくかが富裕層の関心事だったことを知ったという。

 そこで著者は、欧州の富裕層たちの考え方に共鳴し、日本においても同じような投資の機会を提供したいという思いからFPL証券を設立したとも。

 今ある資産を目減りさせず、できるだけリスクが少ない、それでいてインフレ率を上回る運用益が期待できる投資法について非常に示唆に富んだ一冊と言えるでしょう。

(※もっと詳しくご覧になりたい方は、ぜひ『資産防衛なら預金よりも米国債を買いなさい!』をご一読ください)

証券会社会長が教える「欧州の富裕層が米国債で資産運用する」理由〈PR〉
<著者プロフィール>
中川 浩(なかがわ・ひろし)
大学卒業後、NECグループ企業を経てソニー生命保険入社。医師、経営者を中心にコンサルティングセールスを展開。全国有数のトップセールスとして活躍。その後、保険代理店、金融商品仲介業者を経て2016年、北海道で57年ぶりとなるFPL証券を設立。スイス、プライベートバンクlのポートフォリオ戦略に刺激を受け「預金以上株式未満」をテーマに債券運用の魅力を全国に発信。株式の取り扱いは一切せず、米国債、米ドル建て社債に特化した証券会社として注目される。1963年、北海道札幌市出身。