お金の終活 シニアの資産運用&死に際のお金の管理#7Photo:PIXTA

ドル建て社債で急成長している金融機関が札幌市にある。2016年、北海道で57年ぶりに誕生したFPL証券だ。米国債、普通社債、劣後債など、債券に特化した証券会社である。特集『お金の終活 シニアの資産運用&死に際のお金の管理』(全13回)の♯7では、証券会社なのに株を売らない!?「ドル建て社債」特化で急成長した地場証券、驚きの販売戦略を紹介する。

「週刊ダイヤモンド」2023年3月25日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

開業医など富裕層が
メインの客層

「株式のように短期間で売買を繰り返して収益を狙うやり方ではなく、ストレスのない金融商品でお客さんの安心・安全な資産形成をサポートする」(中川浩・FPL証券会長)のが企業理念で、「預金以上株式未満」を標榜する。

 昨年1年だけで、過去5年で獲得した契約件数(約500件)とほぼ同じ件数の契約を新規に獲得した。開業医などの富裕層がメインの客層で新規は紹介が多かったが、同社の金融仲介業者である能登清文氏がYouTube動画でブレークしたのをきっかけに契約が急増した。

「動画サイト経由なので若い人が多いのかなと想定していたら、意外にも50?60代が多い。ほとんどの方が1回で1000万円以上、多いと数億円の契約を頂いております」(工藤好洋・FPL証券社長)。22年当初は10人強だった社員を今は6人増やして対応している。