ローソンの銀行業参入から2年余り。情報技術(IT)と金融が融合したフィンテックの台頭で、銀行業界を取り巻く経営環境は大きく様変わりした。特集『コンビニ金融最前線』(全8回)の#6では、銀行免許を持つことのメリットが次第に薄れる中で、ローソン銀行が描くコンビニ金融の姿について山下雅史社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
コンビニの新規出店抑制が
ATMの設置拡大にも影響
――ローソン銀行の開業から2年余り。これまでの振り返りと、現状の事業環境の認識について教えてください。
開業以降、事業環境の認識は大きくは変わっていません。キャッシュレス化の大きな流れの中で、ATMの利用件数が伸びなくなることは当初から分かっていました。
一方で、コンビニを取り巻く環境はこの2年間でずいぶん変わりました。出店数に表れていますが、コンビニという業態自体が頭打ちになっています。そのベースが変わったことで、われわれの成長も思ったようにいっていないというのは事実です。
その中で、ATM一本足から複数の事業ポートフォリオを持つ体制に変えていこうというやり方自体は、間違っていなかったと思っています。