「依頼者の期待に応えるだけでは、仕事ができるとは言えません」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。発売たちまち重版し、“きれいごと”抜きの仕事論に、社員からは「もっと早く知りたかった!」、経営者からは「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSでも多数の感想が投稿されるなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「締め切りとの向き合い方」についてお伝えします。
締め切りに「間に合わない」のは最悪
仕事を受けると決めたら、締め切りは確実に守りましょう。
対応可能なラインを自ら示しておいて、守れない。それは最悪です。
そんな人は「仕事のヨミが甘い」「考えが浅い」「自分の力量がわかっていない」という評価を受けるだけです。
期限ギリギリで仕上げて許されるのは
「学生」まで
くわえて、ただ間に合わせるだけでも不十分です。
皆さんは学生時代、夏休みの宿題をいつやるタイプでしたか?
宿題を締め切りギリギリにやって許されるのは学生までです。
ビジネスにおいては間に合わせるだけでは評価されません。
ベンチャーで結果を出す人は、締め切りを守るのは当然で、そのうえで期待に応える、期待を超えるクオリティに仕上げる努力をします。
理想は、締め切りの数日前に8割ほどは完了しておくことです。
ベンチャーの仕事に「ゴール」はない
インテリジェンスの現場時代、私は過去最高記録を月末の締め日の4日前に達成したことがあります。
ただ、それで納得するような会社ではありませんでした。「チームのために、さらに頼む」と言われました。
そしてなぜか、「達成できないなら、お前を売るぞ」と脅されました。
締め切り前に10割を達成したら、12割、13割を求められる。
それがベンチャーなのだなと、実感しました。
期待は「超える」もの
「ギリギリで間に合わせたな」と思われたら確実に信用を失います。
たとえ同じ結果でも、期待にただ応えようとしたのか、超えようとしたのかで、評価はガラリと変わる。
このことは肝に銘じておいてください。
(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)