「鯱もなか」が将棋棋聖戦の勝負おやつに!!

 期せずして、さまざまなアイドルの方々とご縁ができた元祖鯱もなか本店ですが、なんと将棋界にも名を馳せることになりました。「選ばれると全国的に話題になる」と言われている、将棋タイトル戦の勝負おやつに抜擢されたのです。

 この奇跡のきっかけも、Twitterでした。

 名古屋の定番土産を目指している当店としては、もっともっと有名にならなくてはいけません。そこで、定期的にフォロワーの皆さんに「『鯱もなか』がもっと有名になるために、どんなことすればいいと思いますか?」と尋ねているのですが、月に3度は大須の店舗に通ってくださっている常連さんがこんなツイートをしてくれました。

“藤井聡太五冠(当時)におやつとして
鯱もなかを食べてもらう。”

 このツイートが投稿されたのは2022年6月24日。

 じつはこの翌月、うちの店から1.2㎞ほどの場所にある亀岳林万松寺で棋聖戦が行われることが決まっていました。対局者は、藤井聡太棋聖と永瀬拓矢王座。滅多にない地元での将棋タイトル戦です。

 常連さんと僕とのやりとりが繰り広げられた当日、会場となる万松寺の公式アカウントからDMが届きました。じつは、万松寺の副住職がネットを見ていて、件のツイートを発見されたのだそう。お寺と店の場所がすぐそばということもあり、数日後には副住職が店まで来てくださいました。

 話を聞くと、副住職自身も名古屋のご出身で、幼い頃にお母様と一緒にうちのお菓子を召し上がっていたようなのです。「とてもおいしかった記憶があり、名古屋を代表するおやつにピッタリなので、ぜひ今回の棋聖戦の勝負おやつのメニューに入れたい」と申し出てくださいました。

 もちろん、断る理由はありません。結果、同じく大須に店舗を構えている和菓子店・青柳総本家さんの「ケロトッツォ」というお菓子とセットで、「午前のおやつ」メニュー候補品の中に加えてもらえることになりました

 ケロトッツォは、こしあんのカエルまんじゅうに生クリームとクリームチーズをミックスしたクリームがサンドされている、なんともかわいらしいお菓子です。メニューでは、真ん中にケロトッツォ、その左右に「鯱もなか」を配置。名古屋らしくて、インパクトがあって、愛嬌もある。これはいよいよ本当に選ばれるかもしれないと胸が高鳴ります。

 そんな僕の興奮を表すかのように、棋聖戦の数日前から地元名古屋の情報番組は、どのおやつが選ばれるのかという話題で持ち切りになりました。