クラファン初挑戦でアイドルとのコラボ商品誕生!?老舗和菓子屋が起こしたTwitterドリームの奇跡名古屋銘菓「鯱もなか」(出典:元祖鯱もなか本店 公式サイトより

Yahoo!ニュースのTopに取り上げられたことで、「鯱もなか」の認知度を上げることに成功した吉田さん。念願の大バズリを果たすも、今度は別の問題が浮上。店舗ビルの老朽化です。改装費用の見積もりは2000万円、とてもそんなお金はありません。そこで、クラウドファンディングを利用することにしたのですが、果たして……?

※本稿は、古田憲司 著『鯱もなかの逆襲』(ワン・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。

店舗改修のためクラウドファンディングに挑戦

 少しずつ「鯱もなか」の認知度が上がってきた2022年、大きな課題に直面します。大須の店舗ビルの老朽化です。

 製造から販売まで一気通貫で行っているこの建物は、築50年を超える年代物の鉄筋コンクリートビル。改装の見積もりを出してもらったところ、弾き出された額は2000万円。とてもすぐに準備できる金額ではありません。事業再構築補助金を申請しましたが、満額までは届きません。

 そんなときに思い立ったのが、インターネットを介して不特定多数の方々から資金を調達する「クラウドファンディング」(以下、クラファン)でした。

 2022年1月、元祖鯱もなか本店はクラファンのプロジェクトを立ち上げました。

プロジェクト名
「創業明治年元祖鯱もなか本店」に居心地のいい空間をつくりたい!

 施工費2000万円のうち、1700万円を自己資金と融資で準備し、残りの300万円の支援を募りました。

 スタート日の1月15日朝8時にTwitterに投稿して拡散をお願いしたところ、すぐに500件を超えるリツイートがありました。出足は好調で、開始2日で早くも達成率は20%に。このままいけば日で100%達成だ! などと小躍りしていたのですが、現実はそう甘くありませんでした。達成率25%を超えたあたりで、ピタリと数字が止まってしまったのです。

 伸びない数字を見るたびに焦りが募ります。しかし、「やる!」と決めたことです。発想を広げてマインドブロックを取り払い、一人でも多くの方に支援してもらえる方法を必死で考えた結果、次の行動を起こしました。

・クラファン挑戦のプレスリリースを配信
・本プロジェクトにかける熱い想いを語った動画作成
・リフォームを依頼している設計担当者との対談動画配信
・目標金額を60%達成するまで夜通しYouTubeライブを決行
・リツイートされた数の10倍縄跳びをする(結果2000回跳びました!)

 体を張った挑戦もしつつ、中日新聞の夕刊で取り上げてもらえたり、たくさんの方にTwitterで拡散してもらえたりしたことで、少しずつ支援額は伸びていきましたが、どうしても目標金額には及びません。

 プロジェクト終了まで残り5日となった2022年2月22日、この時点での支援額は210万円(達成率70%)。残り90万円が非常に高い壁でした。

 ここで僕が取った行動は、怒涛の大量ツイートでした。Twitterの可能性を信じ、なんとかプロジェクトを達成させるために、思いつく限りの切り口で「お願いします」と繰り返しツイートを続けたのです。