日本ゼオンやHOYAの医療機器子会社でお金にまつわる不祥事が立て続けに起こった。特集『医療機器 21兆円への挑戦』の#12では、日本の医療機器業界で不正事件がなくならない真因に迫る。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
日本ゼオン、HOYA…
大手系メーカーで贈収賄が頻発
医療機器業界で“カネ絡み”の不祥事が後を絶たない。
昨年4月、HOYA子会社のHOYA Technosurgicalの営業部社員が、整形外科医に対し、同社製インプラントを優先的に選定、使用する見返りに現金50万円を贈ったとして逮捕された。受け取った医師も収賄容疑で逮捕されている。
さらに昨年8月には、日本ゼオン子会社のゼオンメディカルが各地の病院や医師に5年間で総額1億円超の現金を不当に渡していたことが発覚している。
これまで本特集『医療機器 21兆円への挑戦』で取り上げてきたように、日本では大小さまざまなヘルスケア関連企業が、それぞれの強みを生かして日々しのぎを削っている。贈収賄事件の頻発は業界全体のイメージ悪化につながりかねず、健全な企業活動をしている大多数のヘルスケア関連企業にとってもマイナスだ。
なぜ、お金にまつわる不祥事がなくならないのか。