国内医療機器メーカー“二大巨頭”のオリンパスとテルモは、かつては親密な関係にあったが、今では両社の関係は希薄になっている。両社が再び手を携えることはあるのか。特集『医療機器 21兆円への挑戦』の#10では、オリンパスとテルモの今後の関係を徹底検証する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
かつて緊密な連携を取っていた二大巨頭
テルモが経営統合を打診した過去も
大小入り乱れる国内医療機器業界の中で、双璧を成すのがオリンパスとテルモだ。いずれも医療機器専業で年間1兆円近い売上高をたたき出している。
本特集の#1『日立・東芝・パナは撤退、ソニーはオリンパスとタッグを組むも多難…医療機器業界「最新勢力図」を大公開!見えた日本勢の勝ち筋とは?』で政府関係者が指摘していたように、国内勢がグローバルで急成長するために他社とタッグを組むとすれば、この2社の連合を俎上に載せるのは自然だ。
実はオリンパスとテルモはルーツを同じくする企業で、かつては合弁会社などで手を組んでいた。オリンパスが危機にひんした際には、テルモが経営統合を打診したこともある(オリンパスとテルモの過去の関係性については、本特集の#3『内視鏡トップのオリンパス「1兆円戦略」の全貌、前社長の薬物騒動でソニーとの蜜月関係はどうなる?』参照)。しかし、今では両社の関係は希薄で、別々の道を歩んでいる状態だ。
オリンパスとテルモが再接近することはないのだろうか。両社の関係者に取材を進めると、国内医療機器2トップの今後の在り方が浮かび上がってきた。
次ページでは、これまでのオリンパスとテルモの関係性を明かすとともに、両社がタッグを組むかどうかを徹底検証する。