誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が教える】みんなと同じじゃなくても大丈夫…理不尽な非難に負けない自分の守り方Photo: Adobe Stock

悪くなくても責められる理不尽
コロナ禍で浮き彫りになった現実

今日は「なにも悪くなくても責められることがある」というお話をしたいと思います。

最近、すご腕のフリーランス外科医の活躍を描いた人気テレビドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』に、今さらながらハマってしまい、シーズン1~7まで一気見してしまいました。

シーズン1は13年前の2012年に始まりましたが、シーズン7(2021年放送)になると時代背景を反映してコロナ禍でのストーリーが展開されたんですね。

不要不急の外出が自粛されていた頃だったので、人が集まってパーティーをしていると冷たい目で見られたりして、コロナ禍の当時、たしかにそんな空気感があったことを思い出しました。

コロナ禍を振り返るとわかる
人を責める“空気”が生まれる理由

実際、コロナ禍で感染リスクの高い場所で飲み食いをすることは、責められても仕方のない面はあったとは思います。ただ、今の状況ではそんなことはないですよね。

ここで伝えたいのは、コロナ禍の話そのものではなく、人が責められるかどうかというのは、文化的な背景やその時代の空気による部分が大きいということです。

「みんなと同じ」がルール?
同調圧力が生む責められる人たち

本来は「個人の自由」で済む話でも、同調圧力によって「許せない」「悪い」とされることがあります。

歴史を振り返ると、戦時中には英雄とされていた人が、平和な時代になると非難されたり、裁かれる立場になったりすることがありますよね。

特に日本では、「みんなと同じことをする」という文化が根強いので、その流れに乗らない人が責められやすい傾向があるように思います。

悪くないのに非難される
そのとき、あなたに必要な視点とは?

ある行動が善いか悪いかという問題とは別に、その時代や状況によって「悪い」「間違っている」と非難されることがあるということを、知っておくべきだと思います。

その点を踏まえておくと、「自分はなにも悪くないのに非難される」という状況に陥ったとき、過度に落ち込まずに済むのではないでしょうか。

自分が非難されているのは、その場の状況や背景によるもので、必ずしも自分自身の問題ではないからです。状況が変われば、問題視されなくなる可能性だってあります。

他人に責められても落ち込まない
柔軟に生きるためのバランス術

とはいえ、その時々の状況に合わせて、無闇に敵をつくらないようにすることも大事だと思います。迎合する必要はないかもしれませんが、ある程度のバランスをとることも、スムーズに生きるためには必要です。

大切なのは、他人から非難されたからといって、すべて自分が悪いと思う必要はないということ。また、自分が悪いと思っていないのであれば、非を認める必要も基本的にはありません。

物事の善悪というのは、パワーバランスや文化的な背景、時代によって変わるものです。だからこそ、自分なりの信念を持って行動し、他人からの攻撃でやたらと落ち込む必要はないのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。