部下よりも酔っていないか?
ビジネス上の“あるあるトラブル”
酔わないための対策だけでなく、酔ってしまった場合にリスクを最小限に抑える方法も考えておきたい。ありがちなビジネス上のトラブルと、その対策を例に挙げる。
(1)同僚や取引先とのトラブル
酒が入ると開放感を得て、ついつい言わなくてもいいことを言ってしまうことがある。酒の席が親睦の場となるどころか、修復しがたい亀裂が入ることとなってしまうのは避けたい。
個人名を挙げての愚痴などネガティブな話題をしたり、過剰にプライベートに踏み込んだりといった点は普段から気をつけたいが、酒が入った際にはなおさら気をつけたい。「酒の席だから無礼講」は令和ではあり得ない。
(2)絡み酒
自覚がないから怖いのが絡み酒だ。同じ話を何度も繰り返したり、答えられない質問を部下に繰り返したり、帰りたそうにしている人がいるのに気づかなかったり。部下や後輩を持つ人が心がけたいのは、部下よりも酔わないことだ。
(3)メールやSNS
酔っ払った勢いで送るメールやSNSの書き込みは、ときとして大きなトラブルを招くことがある。
例えば、飲み会の席で盛り上がった業界ネタをそのままSNSに投稿してしまって炎上。あるいは、酒を飲みながら同僚から聞いた話をその場にいない人にメールしようとして、別人に送ってしまう、など。
酔っ払って気分が良くなった場合(もしくは義憤にかられるなどヒートアップした場合)、そのノリをスマホやパソコンに向かって打ち込むのは危険である。どうしても衝動が止まらない場合、ノートに手書きで書き込んでいったん熱を覚ますとか、「とりあえず一晩寝かせよう」と考えるのがベストだ。
やってしまった経験のある人は「飲み会の帰りは電車内でスマホを触らず文庫本を読む」など代替行動を検討しよう。
(4)忘れ物、盗難
ときどきニュースで見かけるのが、重要書類などの紛失だ。これは酒に酔った場合だけに起こることではないが、紛失の原因が酒だった場合、もう弁解のしようがない。泥酔するまで飲まないのが一番だが、泥酔してしまったら一人で帰らず思い切って近場のホテルに泊まる、タクシーに乗るなど、なるべく安全を確保する方向を選びたい。タクシーに忘れ物をした際に備えて、レシートは必ずもらう癖をつけよう。
日本は、路上や電車で泥酔して寝込んでも危険な目に遭うことは少なく、他の国より安全かもしれない。とはいえ、盗難の被害がゼロであるわけではない。路上で寝てしまったり、電車で寝過ごした経験のある人は気をつけよう。と言いながら、筆者も飲み会の帰りに電車で寝てしまい、目的地で降りられなかったことが何度もある。
極論を言えば、家から徒歩10分以内の場所だけで飲むか、気の置けない人たちと宅飲みをしていたい。しかしそうも言っていられないので、酒の道は修羅の道と心得て、今日も万全の準備を整えて、飲み会に挑む。今年もみなさまが、酒とちょうど良い距離でお付き合いできますように。