酒に強い人ほど危険!
その理由は…
昨今では、体質的に酒を飲めない人や酒をあまり好まない人に無理やり勧めるのは「アルハラ」であるという認識が強い。昭和の時代には「一気飲みコール」が日常的に行われていたが、急性アルコール中毒の危険性が広まってからはこれも「昭和の負の遺産」として語られるようになった。
令和の現代においてはビールメーカーでさえ「それぞれの体質に合った飲み方の多様性」を謳うほどであり、「酒に強い方がかっこいい」とか、「飲まないのはノリが悪い」という風潮は弱まっている。健康志向やパフォーマンス向上の観点からも、飲み過ぎは百害あって一利なしとされ、酒を飲まない人が「ストイック」と尊敬される場面すらある。
酒が苦手な人にとってこれは好都合で、仕事でもプライベートでも、体質に合わない酒を無理に飲まなければならない場面は20〜30年前と比べて格段に減っているはずだ。
一方で、酒が強い人は「飲んでも酔わない(失敗しない)」成功体験が多いため、ついついその日のコンディションと向き合い慎重になることを忘れがちである。
飲んだ翌日に記憶がないことがある。言うまでもないが、記憶がないというのは充分に危険な状態であり、その日は記憶をなくしてもたまたま無事に帰ってくることができただけだと肝に銘じた方が良い。強い人は、記憶をなくすまで飲むことができてしまう割合が高いからこそ危険なのだ。
余談だが、アルコール依存症は体質的にアルコールに強い人の方がなりやすいといわれる。これは飲む量が多くても体がブレーキをかけないため、気づいたら依存症になっている、というのが理由だ。
弱い体質だが飲むのは好きだという人も存在する。筆者の友人にこのタイプの人がいるのだが、心がけているのは「好きだけど弱いんです」と毎回宣言することだという。調子に乗って飲み過ぎることを防止できるし、周囲も「そろそろ大丈夫?」などと察してくれることもあるからだ。ノンアルコール飲料で「飲んだ気持ちだけ味わう」のも慣れると楽しめる。