上海のあるインフルエンサーが、韓国人観光客に感想を聞いたところ、予想に反して「全然うらやましくない」「中国の貧富の格差の深刻さを目の当たりにした」という冷静なコメントが返ってきという。
上述の民族衣装の件も、日中両国の反応が対照的で、結果「中国人は時刻の文化に自信がなさすぎる」という印象を受ける。実際、こうしたことが起きるたびに、SNSでは「日本は寛容な国だ」という結論に達するのだ。
東京タワーの春節ライトアップが映し出すもの
今年の旧正月(春節)は1月29日だが、例年通り、東京タワーは「中国紅」と呼ばれる赤色にライトアップされる予定だ。
実はこのイベントは毎年、中国のSNSにたくさん動画が投稿され、大きな反響を呼んでいる。「日本も私たちの春節を祝ってくれているのか!」「我が国がいかに素晴らしく、強くなったかということだ」「中国の影響力の表れだ」と自慢する声がある一方で、「日本は他国の祝日もお祝いするのね。日本人は我々のような愛国心がないのだろうか?これは、自国の文化に自信を持っている証拠だ」「日本は包容力があり開放的な国だ。これこそが真の大国の在り方ではないか」といった声も目立つ。
今年も、東京タワーは真っ赤に輝いて春節を祝う。そして間違いなく、東京タワーの点灯式や「中国紅」の様子は中国のSNSで拡散され、様々な反応を呼ぶだろう。そしておそらく「我が国の偉大さ」を主張する投稿がSNSに溢れることもまた、想像に難くない。経済発展を遂げた大国としての自負と優越感、それでも残る劣等感……この二つが両立するのが、現代中国人の正直な心の中なのである。