そして「憲法第9条って分かります?言ってみてください。分からないのに教師やってる意味ありますか?」と、教員を責め立てる。教員が児童の体に少しでも触れようものなら、「はい!暴力~!ぼーりょくーーー!精神的な苦痛を受けましたー!」「うざい、死ね!」と暴言を吐く。
言葉を誤って「帰れ」などと言おうものなら「アウト」だ。すさまじい攻撃が始まる。授業中に立ち歩くなど日常茶飯事で、注意するほどのことでもなくなった。授業中に大声を出して他の子の邪魔になるなど、どうしても注意しなければならない場面がある。
男子トイレに逃げ込んだ児童をつかまえて百合さんが諭そうと、「そんなに学校にいるのが苦痛なら、家で休もうか。お母さんに連絡してあげるよ」と言ったとたん、児童は「今、帰れって言いましたよね!?先生のせいで帰ります!あなたがそう言ったんですから」と言葉尻を捉えて詰め寄ってくる。担任が「そういう意味ではない」とかばったところで、「ひーきょうものーっ、ひーきょうーものーっ」の大号令。他の子も「マジ、キモイんですけどー!」と同調して、はやし立てるのだ。
自分たちに注意する教員は気に入らないと、児童らは「あいつをやってやろうぜ」と排除しようとする。ある時は教室を抜け出し、学校の各教室にある内線電話を使って教室に「ワン切り」して授業を妨害した。教室にゴミを投げ込むことも。図工室のノコギリを持ち出して、「あいつを脅してやろうぜ!動画!動画!」と騒ぎ出した児童を、図工の教員が必死になって止めた。
チンピラ化する子ども
心身を崩していく教師
百合さんが児童を注意するため廊下に出そうとすると、男子がコンパスの針の先を自分の目に向けて近づけ、「僕、うつ病で何しているか分からなくてー。土下座すれば良いですかー?すいませーん」。百合さんにはもう、子どもたちがチンピラにしか見えない。