このほかYOASOBI視聴者の特徴的な点で言えば、Kポップを含め海外の音楽を聴く人がとくに少ないことで、Jポップ、アニメソング、邦楽ロック、ボカロ系などを好んで聴いている人が多いというデータがある。
ストリーミング累計再生回数が
邦楽史上初の10億回を突破
YOASOBIが、2019年11月にYouTubeに公開した《夜に駆ける》は、公開直後から注目を集め、国内の各種配信チャートを席巻する。
ビルボードジャパンが発表する2020年の年間総合ソング・チャート「2020年年間ジャパンチャート」と「ストリーミング・ソングス」ランキングで1位を獲得。その後、2023年にはストリーミングの累計再生回数が、邦楽史上初となる10億回を突破した。
2020年5月には、人気YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」のコロナ禍を受けた企画「THE HOME TAKE」に出演。ここで《夜に駆ける》を歌ったこともYOASOBIへの注目が大きく広がったきっかけのひとつになったと考えられ、この動画の再生回数は1.4億回を超えるまでになっている(2024年9月末時点)。
2020年末には、「NHK紅白歌合戦」にも出場し、翌年1月には1作目のEP「THE BOOK」をリリースした。このミニアルバムは、「小説を音楽にする」というコンセプトを表現した“読むCD”として注目され、オリコン「デジタルアルバムランキング」では、5週連続1位を獲得する。収録されている7曲もApple Musicのトップ15にランクインした。
同年12月には、セカンドEP「THE BOOK 2」を発売。同じく12月の4、5日に日本武道館で開催した初の有観客ライブ「NICE TO MEET YOU」では、2日間で計1.4万人を動員し、Twitterで関連ハッシュタグが連日トレンド入りするなどの盛り上がりを見せた。この年末には2年連続となるNHK紅白歌合戦に出場を果たす。
そして、2022年2月からは直木賞作家が原作小説を書き下ろし、順次その作品にリンクした楽曲を発表していくというプロジェクト「はじめての」を始動させ、原作小説4作が収録された書籍も発売した。
【推しの子】主題歌『アイドル』で
Jポップ史上初を多数記録
同年8月には、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」をはじめ、各地のフェスでもライブを繰り広げ、特殊なステージ演出が話題になった。さらにこの年には10月期のテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のオープニング主題歌《祝福》もヒットし、ストリーミング1億回再生を早々に達成する。