お金持ちになるには
まず「見た目」を変えよう

<お金を増やすルール>
目先の楽しいより、将来のお金を選ぶ

 以前、求人広告を見ている男性を見かけたことがある。よれよれのパーカーを着て、フードをかぶり、背中を丸めてポケットに手を入れていた。髭も剃っていなかった。おそらく面接もその格好で行くのだろう。

 残念ながら、彼が採用されることはありえない。

 私はこれまでに数多くの採用面接を担当したが、求職者には何度もがっかりさせられた。ちょっとした下調べの努力すらしない人もたくさんいた。

「なぜこの会社で働きたいのですか?」
「わかりません」

「うちが何の会社か知っていますか?」
「知りません」

 こんな言葉は聞き飽きたかもしれないが、努力しない人は結果も手に入れられないというのは、紛れもない事実だ。人間もしょせんは動物だ――サルと変わらない。サルの群れと同じように、弱そうに見える人は、そういう扱いを受けてしまう。

 私が言いたいのは、まず見た目を変えなければならないということだ。他の人に力と自信を感じさせる見た目が必要だ。

書影『できる人の最強ルール101 The Rules of Everything』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『できる人の最強ルール101 The Rules of Everything』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
リチャード・テンプラー著、桜田直美訳

 いい服を買うお金がない?いやいや、高価なスーツでなくても力と自信を示すことはできる。大切なのは、姿勢や歩き方、全体のイメージだ。それに、お金をかけずに身なりを整えることは可能だ。人から借りてもいいし、スーツを安く買う方法もある。

 私の場合、最初のカジノの仕事では、チャリティーショップで買った安いジャケットを着て採用面接に臨んだ。ボタンはダブル、襟はサテン、それに蝶ネクタイもついている。私は何度も練習して、面接の本番ではジェームズ・ボンドになりきることができた。そのスタイルは間違いだったと後でわかったが、それでもスタイリッシュな人物として面接官の印象に残り、当時の私にとっては高嶺の花だったカジノに就職することができた。

 お金持ちの服装を研究し、スタイルと気品を身につけよう。周りからお金持ちだと思われれば、それにふさわしい扱いを受けることになる。

 ただし、宝石をじゃらじゃらとぶら下げるような格好はいけない。目指すのは「抑制されたエレガンス」だ。名門、上質、シンプル。清潔感のある髪型に、きれいな爪。そういうイメージを目指そう。