基本は「バッドニュース・ファースト」
連絡はタイミングが命
ビジネスにおける報連相の極意(1)悪い報告ほど早くする
報連相といえば、新入社員研修でおなじみのビジネスの基本動作です。
しかし意外に誤解、曲解されているのもこの報連相で、報告に関しては「仕事はきちんと進めている。いちいち言わなくても構わないだろう」と考える人もいます。
ルーチンワークをいつも通りこなしているケースでは、確かにそうかもしれません。それでも日報を義務付けている職場はあります。
それに、上司が部下を無条件に信用することはありません。どんなに優秀な部下であっても、上司は注意を払って観察しています。ある外資大手企業の元役員が若い頃、取引先のオーダーミスで出荷が遅れたことがありました。あいにくその日上司は休暇中でしたが、よくあるトラブルだったので配送ラインをやり繰りして何とか間に合わせました。
携帯もラインもない時代です。翌日から連休なので報告は連休明けの翌週にしました。
この時、上司から「報告が遅いとその間に何か操作をしているのではないか、何か隠しているのではないかと疑いを招く。報告はルール通り速やかに行え」と叱責されました。
外資の元役員は褒められると思ったのに怒られたと憤慨しましたが、自分が上位者の立場になった時、この時の上司の言葉がよく分かったそうです。
上司への報告はあって当たり前と考えられており、疎かにすると要らざる疑惑を持たれることになってしまいます。部下としては、休日の邪魔をしては心苦しいと報告を控えたとしても、上司は報告ひとつで信頼できる部下か否かを見ています。
したがって悪い報告ほど優先して上司に上げることが基本です。
可能であれば、上司のタイプによって報告に付加価値情報をつけるとよいでしょう。優柔不断タイプで線の細い上司には、悪い報告を上げる時、同時に解決の鍵となる情報もつけ加えておきます。
自尊心の強い何でも自分で決めたがるタイプの上司に、こうした情報は蛇足です。