ビジネスにおける報連相の極意(2)連絡はタイミングが命

 報連相の頻度と質の高さは信頼関係を築く基礎となります。

 連絡は報連相の中でも、とり立ててスキルの要らないことのように見なされがちですが、エグゼクティブほど頻繁に連絡をしてくるものです。彼らは連絡が情報提供であり、また情報収集の機会であることを熟知しています。

 エグゼクティブには、単に伝えておけばいいという連絡はありません。

 管理職がチームミーティングで部下に業務連絡を行う時も、情報提供と収集を意識してみるとよいかもしれません。

 上司とは主に報告でコミュニケーションをとりますが、有益と思われる情報はタイミングよく連絡しておくことも信頼を築くことに役立ちます。情報とは訪問の際の手土産のようなものです。

 上司のところへ行くにも手ぶらでは形がよくない、何か手土産になるようなことはないか、ここ数週間の出来事を点検すれば手土産になりそうな情報が、ひとつやふたつは出てくるはずです。

 連絡すべきことが何もないというのは、普段の問題意識が足りないのかもしれません。

 仕事を目標通りに円滑に進めるには、時に他部署との連携が必要なことがあります。

 将来、連携が必要となるかもしれない相手には、何もないうちからでも、支障ない範囲で先んじて連絡をしておくことも、後で役に立つことがあります。この時、いまは必要ないが将来必要になるかもしれない相手を、どこまで広げていくか、その見通しをつけておくことが管理職の腕ということになります。

 突然、連携を申し入れても歓迎されることはほぼありませんが、あらかじめ少しずつでも情報を共有しておけば連携がスムーズに行えます。

 連絡は管理職の大事な裏方仕事なのです。

POINT:連絡は報告と違い相手が特定されないケースもある。どこまで連絡すれば成果を上げる上で最も効果的か、想像力が連絡のクオリティを決定づける。連絡は時には足を運んで行うことも信頼を高めるきっかけとなる。