2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

努力では得られない「最後の1%」

 私たちの人生の目的は、最終的には、「頼まれごとをして、喜ばれる存在になること」に尽きると思っています。

 その目的に至るまでに「3×33%」、つまり「99%」の段階に到達する必要があるようなのです。

 第1段階(33%までの段階)は、どんなことがあっても、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を言わないことです。

 たとえば、コップに水が半分入っていたとします。このとき、「半分しかないじゃないか」ととらえると、それは、不幸で、不愉快な出来事になります。

 しかし、「半分も残っていて嬉しい」「半分もあって幸せ」と「嬉しい」「楽しい」「幸せ」という概念を見出せるようになると、第2段階(66%までの成長段階)に到達します。

 第3段階(99%の段階)は、「水がコップの中に半分ある」という現象に対して、「半分も残してくださって、ありがとう」と感謝できる段階です。

 どうも、私たちは、すべての現象について、この「第3段階」で受け入れることを問われているようなのです。

 どんなことがあっても、どんな事件に遭っても、どんな現象が起きても、それを99%まで受け入れる。病気も、事故も、災難も、すべてを「感謝の対象」として受け入れていくことが、私たちに与えられた課題らしいのです。

 では、残りの「1%」はいったい何なのでしょうか。どうも、この「1%」は、自分の力で得られるものではないようです。

 残りの「1%」とは「感謝される存在になる」ことらしいのです。

 ある人が、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を口に出さなかったとします。

 そして、その人の口から出る言葉が、「嬉しい」「楽しい」「幸せ」「愛してる」「大好き」「ありがとう」「ツイている」といった、明るく笑顔になれる言葉だったとします(この7つの言葉を「七福神」ならぬ「祝福神」と呼んでいます)。

 どんなことがあっても、その人からは「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」は出てこないのですから、その人のそばにいると、あたたかくて、安らかな気持ちになることでしょう。

 そればかりか、その人は、常に喜びや楽しさを見い出すことができるので、まわりにいる人にとっても、頼もしく、楽しい存在になる。ですから、その人のそばにはたくさんの人が集まってくると思います。

 こうした状態(まわりの人を明るく楽しくする状態)を、「徳」と呼びます。

「カリスマ」という言葉は、「教祖」の意味として使われていますが、本来は「明るい方向性を示す人」のことではないでしょうか。

 暗闇の中で、「あそこに出口があるから、私はあそこに行くよ」と言ってくれる人を「カリスマ」と呼んだようです。つまり、「カリスマ」とは、「まわりに対して、明るい光を投げかける人」のことなのです。

 私たちは、「第3段階」まで受け入れて、自分の人格を「99%」までは引き上げることができます。

 しかし、残りの「1%」は、努力しても得られるものではないらしい。

 残りの「1%」は、「まわりから与えてもらうもの」「まわりが評価してくれるもの」です。それが「徳」というもののようです。

 ですから、私たちは、自分の努力として「99%」までを考える。私たちが個人で目指すのは「99%」までで、大丈夫なのです。