2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

神様が「ありがとうと言いたくなる現象」を、たくさん与えてくれる方法があるらしい

 今、子どもを持っていない人でも、自分の子どものころを思い出していただければわかると思うのですが、親は子どもに、無償で、無限の愛情を注ぐのがほとんどです。

 見返りや報酬をいっさい期待しないで、子どものために尽くすように感じます。親と子の関係は、「本能」のようなもので、親が子どもに「してあげるだけ」の関係のように見えます。

 でも、子どもが「親なら、子どものために何でもするのが当然だ」と思って態度に示すと、多くの親は、むなしさ、悲しさ、疲れを感じるようになるようです。

 一方で、親が子どもに「何かをしてあげる」とき、子どもから「ありがとう」という言葉や「感謝の心」が返ってくると、むなしさ、悲しさは感じないようなのです。それどころか「もっとしてあげたい」という意欲が湧いてくるようです。

 親と子のこうした関係は、じつは「神様と人間の関係」でもあるらしいのです。

 もしかしたら、「親子関係」は、「神様と人間の関係の見本」として、私たちの生活の中に組み込まれているのかもしれません。

 地球上のすべての存在は、「他の存在から、喜ばれたい」という意志を持っているらしいのです。同様に神様も「万物に対して、喜ばれる存在でありたい」と願っているように思います。

 ですから神様は、人間に対して、シャワーのごとく、好意や善意の雨を降らせているらしいのです。

 神様は人間に対して、「ただひたすら与え続け、してあげるだけの存在」だったのではないでしょうか?

 しかし、「人生は、自分の努力や才能によって成り立っている」と思っている人に対しては、神様は、人間の親と同じように、疲れやむなしさ、悲しさを感じているのかもしれません。

 神様は、「私たち」に対して、何千、何万、何億、何兆も「与えてくださっている」のに、未熟な私たちは、それに気づいていないようなのです。

 仮に私たち「子」が、「親と同じ立ち位置におられる神様」に対して「してくれて、ありがとう」と感謝の心を示すことができたら、神様は喜んで、「もっとしてあげよう」という気になるのではないかと思うのです。

 どうも、「親と子の関係」は、「神様と人間の関係の見本」であるらしい。神様の目から見たとすれば、私たち人間は、どんなに年を重ねても、経験を積み上げても、未熟な子どもに見えることでしょう。

 では、圧倒的に「し続け」「与え続け」てくださる神様がいたとして、未熟な私たちにできることがあるとしたら、何でしょうか?

 それは「してくれるのが当然だ」と思わないで、「ありがとう」と感謝することではないかと思うのです。

 心を込めなくてもいい。早口で言ってもいい。

 ただひたすら、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を言わずに、笑顔を心がけ、「ありがとう」を言い続ける。

 そうすれば神様は、「『ありがとう』と言いたくなる現象」を、たくさん与え続けてくれるようなのです。