応募したくなる求人情報に明示されているものは…

 まず、「応募したくなる求人がどういったものか」のアンケートを取りました。8項目の中から選択してもらいましたが(複数選択可)、選択がいちばん多かったのが、「求められている経験やスキルが明確に示されている」という項目で、34%の回答を集めています。次に、「自分のスキルや経験が活かせる」が2位で、23%の方が選択しました(同率2位に「給与や福利厚生などの条件面が良い」)。

 この結果から、ITエンジニア・DX人材は「自分がこれまで積み上げてきたものを活かすことができるのか」を重要視していることがわかります。エンジニアの経験は積み上げ型であり、技術力は一朝一夕では身につけることができません。よって、「いままでに培った経験を活かすことができるのか」ということを転職するうえでの重要な意思決定ポイントに置いています。

 ある開発エンジニアに転職先を決めた理由を聞いた時に印象的だったのが、「求人(情報)を見た時に、“自分を求めている”と感じた」と話していたことです。そこには、採用背景や開発環境、開発目的、チーム構成、必要なスキルと入社後に期待される役割が丁寧に記されていたそうです。求人(情報)を読んだ時に、足りないパズルのピースのように、ぴったりとはまる自分がイメージできたそうです。ペルソナを意識した、具体性のある求人だったのでしょう。

 結果をもう少し見ていきましょう。次に多かったのが、「中長期的なキャリア形成にプラスになるイメージが持てる」が15%、「優秀な人材と働ける」が13%、「新しい開発手法や技術に触れることができる」が9%でした。職場環境や技術的な挑戦が重要なポイントであることがうかがえます。入社直後の役割だけではなく、中長期的な事業目標やキャリアパスを求人(情報)に記載することで、求職者が自分の入社後の仕事をイメージしやすくなり、自分の将来像を描けるようになります。過去に中途入社者がいれば、その方のインタビュー記事を作成して紹介することも良いと思います。

 いかがでしたか。求職者にとって「具体性のある情報」「条件面の充実」「スキル活用や成長の機会」の3つが特に重要な要素であることが、今回のアンケートから明らかになりました。求人を出す時は、これらのポイントを意識して情報を提供し、求職者が自分の将来像を描きやすい求人内容を設計するようにしましょう。