セブンの「逆張り戦略」の行方は?

コンビニは、最新の商品が置いてある半面、スーパーよりも高い。もっといえば、家でおにぎりを握れば、お米は高いとはいえ20、30円程度、それにツナとマヨが加わっても50円にはいかないだろう。
それをコンビニは138.24円で売るというのだから、主婦層にとってみれば割高であろう。おにぎりに限らず、お茶も、弁当も、何もかもがスーパーよりも割高で売っている。物価が高騰する中で、高付加価値を訴求するコンビニは敬遠されがちだ。
しかし、ツナマヨおにぎりだけは安く売るという一点において、集客を増やし、あわよくばコンビニ全体が高いというイメージを払拭しようという戦略である。
セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEOだった鈴木敏文氏は、社内報「四季報」(2008年春)で以下のようなことを述べている。
《当時、 コンビニのおにぎりといえば120円、130円という価格が主流だったのですが、その売上げがだんだん頭打ちになっていました。これを何とかしようと、まず100円のおにぎりを発売したら、たいへんよく売れました。しかし、これもしばらくしたらだんだん飽きられてきたのです》
《その時、担当者はさらに低価格のものを、と言ったので、私は、それは違う、100円のおにぎりが売れたのは、今までにない新しさがそこにあったからで、単にお客様が安さを求めているわけではないと言いました。今までにない価値を提供するということが重要なのです》
《そこで、素材にこだわり、高品質のおにぎりを200円くらいの値段で販売したわけです。その結果、お客様に支持していただくことができました》
みなが高い値段のときは、安く売る。みなが安く売り出したら、高く売る。セブンの「ツナマヨおにぎり」逆張り作戦は功を奏すのだろうか。