レイラは1人を相手にすると5000円がもらえる契約なのだという。
昼職(昼間の仕事)で働いた経験のないレイラは、20歳になる前からソープやデリヘルで働き、時には立ちんぼとして糊口をしのいでいて、四十路を前にチャイデリへと流れ着いたのだという。もはや失うものがないと思っていた彼女に、チャイデリの経営者がある提案をしたという。
それはカンボジアに行って客をとる、というものだった。
「2024年の初めです、カンボジアに行ったのは」
レイラは記者の問いに躊躇なく答える。
「コロナの頃、日本に中国人観光客が全く来なくなって、稼げなかったときにオーナーさんに『今、タイなら稼げるよ』って言われて、タイに渡って売春してたことがあるんです。そのとき暮らしていた宿の支配人が声をかけてきたんです。『カンボジアに行けばタイの倍は稼げる』と……」
ホスト通いの資金のため
カンボジアまで出稼ぎに
レイラがカンボジアの首都プノンペンの空港に着くと、クルマが待っていた。言われるがままに乗り込んだので、どの街だったか記憶はないという。しかし、移動時間などを鑑みると、レイラが派遣されたカンボジアの街は、Kが見たところとは違う街のようだ。
カンボジアの“サギ村”は各地に存在しているのだろうか。
20年に及ぶ風俗嬢としての生活がそうさせるのか、レイラは実にあっけらかんと過去の売春体験を話しだした。
「誘い文句?ただ、日本より稼げると言われて、それだけ。稼げるならいいかって」
最近のレイラのチャイデリでの客は1日5人程度、週に10万円ほどは稼いでいるという。単純計算で、月給40万円。ひとり暮らしの女性が生活するには困らない額だと思ったが、生活費以外にカネを使う理由があった。それはホスト通いだ。
「チャイデリのオーナーには『2週間で100万円は堅いよ』って言われて。観光気分で行ってきなよ、と。それだけ稼げたら、ホストでも担当にいい顔できるかなと思ってました」
海外に行ってまで稼いだそのカネで、この生活を抜け出そうという発想はレイラにはなかった。抜け出す術も、知恵も持ち合わせていないのかもしれない。チャイデリである程度の稼ぎはあるレイラだが、もうすぐ40歳だ。ここでも稼げなくなったらどうするのか、どう生きていくのか。記者は疑問を感じながらも、本題に入る。