「そういったお金で生活を始めたら、本当の売春婦になっちゃいますから」
あくまでいざという時のためだと説明するリサ。幸いなことにその“いざ”はまだ訪れていない。
リサに取材を始めて1時間。記者は彼女に気立てのよさを感じていた。こちらの話には目線を落とすことなく耳を傾け、話をするときにはユーモアを交えて語る。間違いなくモテるタイプの女性だろう。そんな彼女なら、もう少し突っ込んだ質問をしてもいいだろうと思い、「海外における日本人女性の値段」について聞くと、空気が一変した。
「なぜ、私がSNSをやっていると思います?」
少し困ったような顔で、そして声を潜めた。
「海外出稼ぎブーム」に乗って
オーストラリアに行きたい娘たち
「実は頼まれてやってるんですよ。オーストラリアの風俗店のオーナーに。私のSNSをいちばん見ている人って、多分、海外出稼ぎに行ってみようと考えている女の子だと思うんです。そういう子たちからは『私も行ってみたいんですけど、どうしたらいいですか?』というメッセージがたくさんくるんです。オーナーからも『いい子がいたら紹介して』と言われていて……そのためにやってるんですよ。
それにオーストラリアは売春が合法で、れっきとしたサラリーなので、数百万円程度なら現金で持ち帰っても問題ないですし。または私の紹介する置屋なら送金も滞りなくやってくれます。それに最大のネックである出入国も、私は向こうに住んでいたアドバンテージもあって、知人や会社の名前を出して、観光ビザでも問題なく入れる手はずを整えることができます。つまり、リスクを負わないで“仕事”を紹介してあげられます」
もはやリサは日本側のスカウトということだろう。
「スカウト?でも、女の子の売り上げからお金が出たり、お店からもらうわけではないです。ただ本業での仕事を紹介してくれたり、いい男を紹介してくれたりするので、そのお礼といった感じです。熱心にダイレクトメールをくれたり、本気だなって思う子だったら実際に会うこともあります。ここコメダ(編集部注/取材場所は名古屋のコメダ珈琲店)が多いんですけどね」
人懐っこく笑い、カフェオレに口をつけた。そしてこんなことを話し始めた。