「お客さんは意外とみんなやさしいです。チップもくれるし。怖い思いはしたくないから、自分でも線引きはしているんです」
この店でもデリヘル的に客のところに出向く「アウトコール」があるのだが、ミユは自分の部屋でのみ客を取る「インコール」に限定しているのだという。
ひと晩53万円の売り上げ
裏で糸を引く中国人ボスとは?
ミユは今、朝の11時から夜の12時まで働いて1日10人ほどの客を取っている。彼女は自分の勤勉ぶりに胸を張った。
「昨日は多いほうで12人でした。それでいくらかな……4850カナダドル(約53万円)か。けっこう多くないですか?」

週刊SPA!編集部 国際犯罪取材班
厳密に言えば4850ドルというのは売り上げだ。そこから40%を店に渡すと、ミユの1日の収入は3000ドル弱(約33万円)ということになる。この店のコースは30分から120分まであるが、多くの客が30分か40分を選択し、1時間以上を費やす客は富裕層だという。いちばん短い30分コースの代金で240ドルなのだが、短時間で稼げるという点も彼女は気に入っているようだった。また、英語をしゃべることから、最近ではリピーターの客が増え、自信がついたという。
ミユから実態を聞くにつれ、記者の関心は彼女の同僚よりも、“後ろにいる人物たち”へと向いていた。ビデオ通話を切られるのを覚悟しつつ聞いてみた。
「実はボスはもちろんなんですけど、ここの関係者は姿を現さないんで、ほとんど会ったことがないんですよね。現金のやりとり以外は仕事の内容も含め、全部ウィーチャットです。でも、これが面倒くさくて、全部中国語で送られてくるんです。たまに英語だけどスペルや文法がめちゃくちゃな英語。だから中国語を翻訳アプリで変換してチャットするんです。今までボスがどんな人とか気にしたことなかったですね」
裏で糸を引く人間が中国人であることは明らかだが、記者はビジネスを仕切る人間たちに興味を掻き立てられた。なんとかして、そのボスに会って話を聞くことはできないだろうか。それをせずしてバンクーバーにおける「出稼ぎ風俗」の実態は見えてこないのではないだろうかと。