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三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。第32回は「合格発表までの『時間の使い方』」について考える。
予定が入る中で、やるべきことは…
東京大学現役合格を目指す早瀬菜緒と天野晃一郎。リスニング指導をする鍋明美は、試験当日の席順によって音声の聞き取りやすさが変わると説明する。「不公平だなあ」と呟く早瀬に対して、「要するにその人の運」「ポジティブに受け取れば運も向いてくる」とアドバイスする。
国公立前期試験が終了し、受験シーズンも峠を超えた。前期試験を終えた受験生は、ようやく一息つける局面になったことだろう。しかし、前期試験終了から合格発表までは、多くの受験生が思い悩まされる期間だ。
まず第一に、他の予定が入ってくる。私の母校のように、学校の卒業式をこの期間におく学校も多い。また、一山超えた開放感から遊びの予定が入ることもあるだろう。私も現実逃避のせいか卒業旅行の予定を立ててばかりいた。
前期試験に合格しているのならば、後期試験の勉強などしなくてもいいのだが、合否はまだわからない。そんな状態の中、受験勉強のモチベーションを継続するのは簡単ではない。
私のおすすめは、英語を勉強することだ。英語は大学に入学してからも科目として残るし、留学にも役立つため実用性も高い。だからこそ、「勉強していても無駄にはならない」というマインドを保てるのだ。
大学選びと就活は似ている
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第二の悩みは、どこの大学に進学するかだ。特に、早慶にすでに合格している首都圏の受験生にとって、国公立の後期試験を受けるか、合格したとして進学するかは大きな問題だ。例えば、第一志望の東京大学に不合格だった受験生が、慶應義塾大学に進学するか、後期試験で合格した東北大学に進学するかといった具合だ。
もちろん個人の希望や家庭の事情などはあるだろう。しかし、高校生のうちではあまり気付けないポイントがある。例えば、複数の大学の学生からなるインカレサークルは、基本的に地域ごとに作られる。いわゆる社会課題やビジネスに取り組むサークルの場合、大手企業や官公庁などとコラボレーションすることもあるため、東京に本拠地がある方が活動の幅は広がる。大学に入ってからそのような活動に取り組みたい人にとっては考慮すべきポイントだろう。
就活に関しても同じようなことが言える。実際問題として、東大や一橋大、東京科学大、早稲田大、慶應義塾大「のみ」を対象とした就活コミュニティは存在するし、それらの学生限定のインターンプログラムなども目にする。また、首都圏の学生起業コミュニティは、他の地域に比べて圧倒的に充実している。
このようなことがいいかどうかは別として、就活に関しては地方国公立よりも都内私立の方が、機会や選択肢に恵まれていると言わざるを得ない。
とはいえ、何を隠そう大学生の本分は学業である。アカデミアの道に進むことを希望するならば、首都圏にこだわる必要はない。専攻する研究分野によっては、首都圏の大学を凌駕する成果をあげている地方国公立の大学も多い。
いずれにしても、悩む期間は限られているし、合格してから悩んでいては遅い。そして何より気をつけるべきは入学手続きである。東京大学では入学手続きが「三次試験」と揶揄されるほど複雑だ。最後まで気を抜かず、自らの進路を勝ち取ってほしい。
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