スポーツニッポンも1月27日付1面で、「新疑惑浮上 フジ幹部手引き 他局女子アナも中居接待」と報じた。
内容に踏み込むことは避けるが、描写された会食のムードは、読者の嫌悪感や怒りの感情をかき立て、フジテレビに女性の人権を軽視する企業文化があると疑わせた。
ところがこのスクープは、後になって、あっさりとひっくり返された。TBSが2月21日、社内調査の結果を公表し全否定したのだ。
女性アナウンサーは調査に対し、「会食時に自分に対する性的な言動はなく、他の女性に対する性的な言動も見聞きしていない」と説明。バーベキューには男性社員2人が参加したが、「滞在中に参加者から不適切な言動はなかった」 と話したという。
「上納接待」疑惑がテレビ業界全体に波及するか?と注目されていただけに、全メディアが一斉に報じた。しかし、いずれも淡々と事実だけを短く伝えるにとどまり、どこかしらけた雰囲気を感じさせた、といっても言い過ぎではあるまい。
一方、週刊文春とスポーツニッポンは、現在に至るも記事訂正をしていない。
週刊文春の訂正騒動で
社会的関心はピークアウト
中国の歴史書『史記』に「時極まれば、すなわち転ず」という言葉がある。「時勢は行き着くところまで行くとやがて転じる。社会は変化していくものだ」という意味。
フジテレビを取り巻く社会の関心は、役員の“吊し上げ”の場となった“10時間超会見” で、まさに「行き着くところまで行った」クライマックス感があった。そして、その後の週刊文春の記事訂正で一気に尻すぼみとなった。TBSの調査発表はこの流れに追い打ちをかけた。
“文春砲”はその後も続き、フジサンケイグループ代表の日枝久取締役相談役を個人的にターゲットにした暴露記事が続いているが、あまり話題になっていないのはご存じの通りだ。