貿易赤字は、ドナルド・トランプ米大統領が公人としての生活を通じて執着してきた問題だ。それにもかかわらず、大統領としてのトランプ氏の政策は、貿易赤字の縮小とは相いれないものであることが多い。企業に有利な規制緩和や減税は民間投資を促進し、財政赤字を拡大させる。これは輸入を呼び込み、金利やドル相場を押し上げて輸出を抑制する。一方、関税は輸入を減少させるだけでなく、他の国・地域に打撃を与えたり、報復を招いたりすることで輸出も減少させる可能性がある。従ってこれらの目標は他に何もしなければ互いに矛盾する。その矛盾を解決できる政策はあるのだろうか。解決策はあるし、共和党にはそれを実行に移す絶好のチャンスがある。その解決策とは、連邦政府の歳出の大幅かつ迅速な削減だ。予算を削減すれば、需要とインフレの抑制を通じて金利やドル相場が押し下げられ、輸入が減り輸出が増える一方で、民間投資の拡大に必要な条件は保たれる。
米貿易赤字、大幅な歳出削減で解決可能
関税に頼らずとも金利・ドルの押し下げ通じ赤字縮小
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