ここで役に立つのが、意識しないでもとっさに感じる感情です。とくに、ネガティブ感情は、こころの警報機が作動した状態でもあり、この警報機は自分が意識する前に鳴りだします。

 警報機が鳴ったら、まず、身を守る体勢をとらなくてはなりません。

 そのうえで、なにが起きているかを確認します。情報収集です。

 情報が集まってくると、なにが起きているかがわかってきます。状況を正確に判断できるようになれば、どのように対処すればいいかを考えることもできるようになって、気もちが楽になってきます。

 しかし、なにが起きているのか、現実に目を向けるには勇気がいります。よくないことが起きている可能性がゼロではないからです。

 よくないことが起きている可能性のほうが高いことだってあります。よくない可能性が高いかもしれないから、現実に目を向けられないで、あれこれ考えて悩むのです。

 こうしたとき、とっさの考えにしばられないで現実に目を向けることができるかどうかで、その後の展開はまったく違ってきます。

 現実を確認して、最初に考えたほどひどくないとわかれば安心できます。もし問題があったとしても、それに対処する手立てを考えていくことができます。とっさの考えにしばられないで、自分の力で生きていくことができるようになるのです。

図表:ネガティブ感情はこころの警報機同書より転載 拡大画像表示