感情と考え、行動の関係が分かると
問題に対処しやすくなる

 わたしたちは現実をそのままに見ているわけではありません。

 同じ出来事を体験しても人によって見え方が違うということは、昔からよく知られています。

 そうした個人差はあるのですが、すでに説明したように、思いがけないことが起きたときには、よくない部分に目が向いてネガティブな気もちになります。

 そのように気もちが揺れたときには、自分を守るためにこころセンサーが働いているのだと考えてください

 落ち込んだり不安になったりしたときに、こんなことで弱音を吐いてはダメだと考えるのは、せっかくのこころセンサーのスイッチを自分で切ってしまうようなものです。自分を追いつめてつらい気もちになり、こころが疲れてきます。

 つらい気もちになったときには、それをきちんと受け止めて、問題が起きていないかどうか現実を確認するようにしましょう。

 現実を確認すると、問題が起きていないこともあります。その場合は、思いすごしだとわかって安心できます。

 でも、実際に問題が起きていることもあります。その場合でも、きちんと現実に目を向けることができていれば、早めに対応できます。

 なにかが起きていることを感情が教えてくれています。そのとき、感情と考え、行動の関係がわかっていると、問題に対処しやすくなります。

 特定の感情の裏には特定の考えが働き、特定の行動をとるようになります

 精神的につらくなるのは、その考えが極端になっているときです。すると、不適切な行動をとるようになるのです。