「シンカ」の多段活用

『オックスフォード言語学辞典』(朝倉書店)によれば、流儀とは「技能・芸術など、その人・家・派などの独得のやり方・しきたり」を指す。英語では、スタイルやモードと訳されるようだが、それでは少々軽すぎる。むしろ、ウェイ(道)と読み替えたほうが、しっくりくるのではないか。さらに言えば、DNAのように体に深く刻み込まれたものでもある。したがって、被り物やコスプレのように簡単に取り替えられるものではない。新しくするためには、表面的な「変身」ではなく、「変態」が求められるのだ。

ここからは、私が考える「シン」についての考察を深めていきたい。なぜなら「シン」は、「新」を意味するだけではないからだ。

実は「シン・ゴジラ」にも、「新」以外に、「震」「神」「真」という3つの意味が重ねられているという。放射能を帯びたゴジラの出現は、東日本大「震」災による核災害を彷彿とさせる。ゴジラが文明都市を破壊する姿は、驕った人間への「神」の怒りを暗示している。そしてそれを最新のCG技術を駆使して表現することで、観客の「真」に迫ってくる。

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『大漢和辞典』(大修館書店)によると、「シン」と読む漢字は127文字あるという。これで驚いてはいけない。「コウ」と読む漢字が何と2647文字もある。とはいえ127文字でも、とても本稿では解説し切れない。

2月18日に発売した書籍では、「シンカ」の多段活用をご披露したい。

 

 

◉構成・まとめ | 宮田和美 (ダイヤモンドクォータリー編集部)

 

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