「魑魅魍魎の永田町」で国会議員が最も恐れる「紫のふくさ」とは?Photo:PIXTA

政治は私たちの身近な生活に関わる重要なことですが、日本の投票率は世界と比べて低く、政治への関心が薄いことが問題となっています。とはいえ、国会のニュースを見ていても、理解しづらいことも多いのではないでしょうか。『政治と経済の真実を見極める力』(青春出版社)から、政治について、自分の頭で考えて、自分の方向性(意見)を定める上での土台となる知識を一部ご紹介します。

国会答弁が棒読みされるようになった経緯

 国会答弁は、基本的に官僚によって書かれています。国会で答弁に立つ大臣が、法律や政策について、すべて熟知しているわけではないので、細かな点については、大臣は官僚からレクチャーを受けることになりますが、それでも答弁しきれないときは官僚の作成した答弁用の文章を読み上げることになります。

 そのため、国会がはじまると、官僚たちは国会答弁作りに忙殺されます。まず、国会質問に立つ国会議員のところに、質問内容を聞きに出かけ、それに対応して答弁を作成します。

 このように、国会審議には、官僚が大きく関わっていて、かつては官僚が大臣の代わりに国会答弁に立つのが当たり前のことでした。近年は基本的には大臣が答弁することになっていますが、それでも舞台回し役として、官僚が大きな働きをしていることに変わりはありません。

 国会の規則では、本来、原稿の朗読は原則として禁止されています。しかし、そこには抜け道があって、「報告のために簡単な文書を朗読する」ことは許されています。この部分が最大限に解釈されて、棒読み答弁がはびこってきました。