やりすぎは命のキケン!ダイエットで絶対に逸脱してはいけない“糖質制限の基準”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

効果の出やすいダイエットとして知られる「糖質制限」。しかし過剰な糖質制限は死亡率を高めるなど、思わぬリスクを抱える可能性もあるようだ。パーソナルトレーナーの著者が、炭水化物を摂取しながら痩せやすい習慣を作る方法を解説する。※本稿は、増戸聡司『ダイエットは習慣が9割 決定版』(リチェンジ)の一部を抜粋・編集したものです。

過剰な糖質制限をすると
将来の死亡率が高くなる?

 炭水化物は「糖質+食物繊維」で構成されます。糖質制限ダイエットが流行った影響で悪者扱いされることが増えましたが、糖質は体内で最も素早くエネルギーに変わる栄養素で、脳や体を動かす際に欠かせないものです。

 過剰に摂れば余った分は脂肪として体内に蓄えられますが、制限しすぎるのもよくありません。

 糖質が不足すると脳の働きが鈍くなり、判断力や注意力の低下につながります。さらにエネルギーが不足すると、体脂肪だけでなく体内のタンパク質を分解するよう働くため、筋肉量の減少につながります。

 複数の大規模な調査から、糖質の割合が50%を下回って少なくなるほど、将来の死亡率が高くなることが明らかになっています。糖質の割合が70%以上などと多すぎても死亡率は高くなりますが、糖質の割合が少ないほうが、より死亡率が高くなっていました。

 厚生労働省の指標でも50~65%を推奨しているとおり、50%を下回らないようにしましょう。

 摂取カロリーの50%を糖質から摂る場合の目安量を、実際の食べ物で考えてみましょう。

 1日のエネルギー必要量を2000キロカロリーとすると、その50%は1000キロカロリー分です。

 糖質1グラムは約4キロカロリーなので、計算すると250グラム分です。白米であればお茶碗1杯(150グラム)で55キロカロリー程度なので3杯分、加えておかずや間食などで100グラム弱の糖質を摂ることが可能です。

太りにくい糖質は
「茶色い炭水化物」

 ちなみに、普段運動をしない人の1日の推定エネルギー必要量は、男性の場合は約2300キロカロリー、女性の場合は約1700キロカロリーです。

 図のような食品の糖質量を目安にして、炭水化物をしっかり摂取する食生活に改善することもダイエットには欠かせません。

1食に含まれる糖質量の例同書より 拡大画像表示