食事写真はイメージです Photo:PIXTA

「食事でコレステロールを減らす」のは無意味なこと。肉や卵を減らしても、コレステロール値に変化はほぼ表れないのだ。特に「油抜きダイエット」は危険がいっぱい。日々、料理がおいしく食べられる量の油をまんべんなく摂ろう。本稿は、和田秀樹『コレステロールは下げるな』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

血圧も血糖値も中性脂肪も
「ちょい高め」をキープしよう

 私の総コレステロール値は300mg/dLくらいです。いわゆる“基準値”を大幅に超えていますが「下げよう」とは全く思いません。むしろ「高くていい」と思っています。

 医師は「高いと心臓に悪いですよ」などと言いますが、「本当に心臓に悪いんですか?コレステロール値を高いままにしておいたら、どんなことが起こるんですか?」と聞いたら、答えられないはずです。

 なぜなら「コレステロール値がどれくらいになったら心筋梗塞が起こるか」という相関は、よくわかっていないからです。

「コレステロールが300~400になると、心筋梗塞のリスクは何%高まる」といった調査は、日本では行われていません。つまり不明なのです。

「わからないなら、とにかく高めにしておくのは危険ですよね」と言われることもあります。確かに、指摘の通りです。でも私は「低くする害」のほうを信じているので、下げないまでです。また、私は定期的に心臓ドックを受けて、冠状動脈の状態をチェックしています。結果、現時点では「心筋梗塞の心配はない」ということもわかっています。

 すなわち「心筋梗塞のリスク」を取り除くと、「コレステロール値が高いことのデメリット」がなくなるのです。だから私は、コレステロール値は300でも大丈夫、と自信を持って言えるわけです。

 一方で、血圧や血糖値、中性脂肪の数値に関しては、やはり“高過ぎる”のを放っておくわけにはいきません。中性脂肪の数値が高過ぎれば急性膵炎のリスクが高くなることがわかっています。猛烈な痛みに襲われるそうですが、私は痛いのは大嫌いなので、回避すべく制御しています。

 血圧も血糖値も中性脂肪も“ちょい高め”くらいをキープするのがいいと思います。それ以上の“異常値レベル”になると、血管にも過大な負担がかかり、思いもよらぬ病気の原因になりかねないからです。

 ちなみに私の場合、血圧はかつて220mmHgありましたが、これに関しては時々薬を飲んでいて170にコントロールできています。