
「40キロの減量に成功した上司が急に変貌して、『俺を見ろ』モード全開になった」「30キロ痩せて、3年間同棲していた彼女を捨てて出て行った」…“人ひとり分痩せたオトコ”はなぜ人格が変わってしまうのか?飲み会で繰り広げられる毒舌トークと共に「ダイエット成功男子」の心理に迫ります。あなたの周りにも、心当たりのある人はいませんか?(コラムニスト 河崎環)
そのライ●ップおじさんは転職先にいた
30代・A子の転職祝いで集まった、30~50代のお年頃な女性たち。「Aちゃん、転職おめでと~う(はぁと)」と乾杯すると、「ありがとうございます!」転職に成功した彼女はビールジョッキをグッとあおり、テーブルにダンッと置いた。
「待て、その勢いよ」 「満たされてる人の飲み方じゃなさげ」 「どうした?」「好きな会社に行けたんでしょ?」
「そうなんですけど……」と、Aちゃんは浮かぬ顔で続けた。「ライ●ップでダイエットに成功した人で、ガチで自分を見失ってる"この世の春"なおじさんがいるんですよ……」
意識が高い、自己肯定感も高い高い上司
Aちゃんの話を総合すると、こういうことである。
新しい職場は外資系ということもあり、どちらかというとかなり“意識の高い”人が多いことはわかって入社した。SNSでの発信も、企業のガバナンス上問題のない公開範囲と内容であれば許されるし、だからなのか、人脈も広く自己発信の上手な人、いわゆるリア充な成功者が多い。
しかし上司の一人がどうにもキザで、しかもリアルな本人像からだいぶ乖離(かいり)した自己肯定感の高さをエンジョイしており、日々ちょいちょい失笑を誘っているという。会議中の発言は海外風に、だが人差し指をあまりに高々と挙げ「失礼、僕の側から一言申し上げたいんですが」。そして一言どころか十言ぐらいの、シンプルに自慢話が始まるというのだ。