総予測2026Photo by Shogo Murakami

SNSや各種メディアで発信を続ける24歳の論客・岸谷蘭丸さん。海外トップ大学受験の専門塾「MMBH」を率いる実業家でもある。Z世代の価値観や、2026年に注目のインフルエンサーについて話を聞いた。(教育エディター 江口祐子)

政治×SNSの結合が
Z世代の価値観を揺さぶっている

「2025年は、僕にとってまさに激動の1年でした」

 25年のメディア界隈に彗星のごとく現れた岸谷蘭丸さん。高校で米国に留学し、大学はイタリアの名門ボッコーニ大学に進学するもコロナ禍で帰国を余儀なくされる。「暇を持て余して」YouTubeやTikTokを始めたところ、“柚木蘭丸”という名前で始めたチャンネルは順調に再生数を伸ばしていたが、24年末に転機が訪れた。俳優の岸谷五朗さん、ミュージシャンの岸谷香さんの息子であることを、本名とともに公表したのだ。

「そこからは本当に怒涛の日々でした。Abemaをはじめとするさまざまな番組に呼んでもらい党首クラスの政治家と対談したり、選挙特番にMCとして出演したり。もともと政治には興味はあったのですが、景色が一気に変わりました」

 岸谷さんが最も強く実感したのは「政治がSNSでエンタメのように可視化された」ことだという。

「政治の動画が数字を取れる時代になりました。その政治家がどんな意見を持っているかが、SNSで完全に可視化されるようになった。政治家は、“インフルエンサーとしての力量”まで求められている。この傾向は26年以降、さらに強まると思います」

 政治の世界でも“地盤よりインプレッション”が影響力を左右するようになってきたのだという。

 政治への関心が高まる背景には、「社会の不安定さ」「情報の可視化」「SNS世論のスピード」という3つの要因がある。Z世代からすると政治家は、“日常的に評価する対象”にもなり得る。この価値観の変化は、26年のトレンドを語るうえで外せない。