
1日、多くの企業で入社式があった。入社後にどこに配属されるか分からない。希望と違う部署に配属された――。こうした「配属ガチャ」問題に一石を投じる新たな採用制度が注目を集めている。
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総合商社の住友商事は通常のOPEN選考と並行して、今年4月入社の新卒採用から、配属先を採用時に確約する「WILL選考」を新設。1日にあった入社式には新入社員約100人のうち、WILL選考を通過した約30人も参加した。
大学での専攻の有無を問わず、「ここで挑戦したい」という意思(WILL)があれば、社内の28部署から配属先を事前に選んで応募できる。1次、2次選考はポテンシャルの見極めが中心で、3次選考以降で応募者のWILLを深掘りしていくという方法だ。
同社がWILL選考を始めたのは、将来のキャリア像をより具体的に考えている就活生が増えているからだという。
「挑戦マインドがあって自分を成長させていきたいという人にはぜひ住友商事で活躍の場を見つけていただきたい」(同社広報部)
1日の入社式で、新入社員一人一人の配属先が発表された。
WILL選考を経て入社した女性(22)は「配属先は決まっていましたが、自分の名前が呼ばれたときは緊張しました」と話す。
高校時代から世界の食糧事情に関心があったが、食糧問題以前にそもそもインフラの問題を解決する必要性を感じて、将来はインフラに関わりたいという思いを持っていた。神戸大学国際人間科学部を卒業して、同社エネルギー鋼管の部署を選んだ。
総合商社は領域が広い。そんななかで女性がWILL選考を選んだ理由は何だったのか。
「他の部署で働く可能性があると考えたとき、自分が他の部署で働いている姿を想像できなかったのが一番大きかったです。選考のときも、面接の後に自分の上司になる方と話すチャンスがあったので、ギャップをすり合わせることができたんじゃないかと思います」(女性)
同じくWILL選考で入社した男性(25)は、北海道大学大学院水産科学院で魚の養殖を研究してきた。就職活動では同社の食料の部署を選んだ。