
新しい職場で自信が持てないときに
考えてみてほしいこと
転職や社内異動で新しい環境に入るとき、わくわくする半面、「周囲の人たちが優秀すぎて、自分の居場所なんて本当にあるのかな」と不安になることがあります。とりわけ、超精鋭が集まる部署や企業では「自分なんて全然かなわないのではないか」と尻込みしてしまいがちです。
しかし、実際にはどんな組織であれ、“自分がここにいる意味”はあります。
たとえ周囲が優秀で、「あの人には勝てない……」と思わされる場面しかなくても大丈夫。経済学者デヴィッド・リカードの提唱した「比較優位(comparative advantage)」の理論を応用すれば、あなたが活躍できる場所を必ず見つけることができるのです。
今回は、そのとっておきの方法を紹介しましょう。
「比較優位」とは?
「絶対優位」との違い
まず、リカードの「比較優位」を理解するために、「絶対優位」という言葉との違いを整理しておきましょう。具体的にイメージしやすい例を示しながら説明するのでお付き合いください。
●絶対優位とは
あるプレイヤー(国、企業、個人など)が他のプレイヤーに比べて、生産コストや作業時間、人員などの面で明確に優れていることを「絶対優位(absolute advantage)」と言います。
例えば、Aさんがプログラミングでも設計でもドキュメンテーションでも、チームメンバーの中で一番速く正確に仕事ができる、という状態ならば、Aさんはその組織内でそれぞれのタスクにおいて“絶対優位”を持っていると言えるでしょう。