「妻に家計を任せているが全然ダメ」40代夫婦の相談
「家計が全然ダメで、お金が貯まらないんです」とパート主婦の妻(42)を連れてご相談に来た会社員のBさん(44)も、変わりたいのに変われなかった一人です。高校1年生の息子、中学2年の娘がいる、子育て中のご夫婦です。
「妻に家計を任せていますが、家計簿はつけられていないし、支出の把握も全然できないのです」と夫が話すそばで、妻は申し訳なさそうに頷いています。「子どもの学費や私たちの将来のために、お金を貯めなくてはいけないとは思っているんです。でも、毎月赤字になっていて、改善する方法も見つけられない」と夫が続けます。
ご夫婦の話を大まかにまとめると、B家の月の収入は手取りでご夫婦合わせて48万円ほど。対して支出は53万円ほどで、約5万円が毎月赤字になっているようです。支出状況が正確に把握できていないものの、貯蓄の減り具合から、そのくらいだと思えるとのことでした。
支出を大まかにでも把握するために、何に対していくらくらいを払っているのか、クレジットカードの明細や口座引き落とし、現金支出などの大体の感覚を伺いながら支出の予想額を書き出していきました。
食費が支出の3割以上だった原因は?
そこで分かったのは、毎月の食費が15万円ほどにもなっているということ。月の世帯手取り収入48万円の中での15万円は、家計支出の31%を超えます。存在感は住居費と同等かそれ以上です。
支出の内訳を見ていくと、夫の楽しみだという習慣が、食費を膨らませている原因の一つだとわかりました。夫は、お酒はほとんど飲まないそうですが、いわゆる「グルメ」志向。良い食材やちょっと高いこだわりの調味料が大好きなのです。通常価格では手が出せないので、割引になったものを仕事帰りにスーパーで買ってくる。これを週に3~4回していることが問題でした。割引価格で買ってくるので、夫は「いいモノを安く買っている」「自分は買い物上手」という意識です。
例えば、卵かけご飯用のトリュフ入り醤油が20%オフだったから、少し良い卵と一緒に買ってくる、こだわりのソーセージが安くなっていたから、良いマスタードと一緒に買ってくる……といった具合です。そして帰宅後、それは食費だからと家計から精算。買ってきた食材は夫のうんちく話を聞きながら家族で食べるのですが、調味料類は安くなっていても、すぐに賞味期限を過ぎてしまったとか、使い道がなくて使いきれないなどの理由で処分してしまうこともしょっちゅうだそう。