もちろん妻が購入している普段の食材の買い方にも見直しが必要です。それなのに、妻にはどうしようもできない食費がさらに上乗せされるので、1カ月の支出額が大きくなっていたのです。この夫の支出は、妻が主に管理している食費と合わせて、必要な食費と楽しみとして使いたい食費、無駄になっている食費に分けて金額を明らかにし、その上でどのように食費を使っていくのか見直す必要があります。
高額な習い事費の原因は、子どもではなく……
また、お子さん二人の学校にかかる教育費は必要の範囲内と思えたのですが、習い事費が6万円近くかかっていたことが気になりました。聞けば、お子さんではなくご夫婦、特に夫が自己啓発のために習っているものへの支払いでした。定年退職後は海外移住を目指しているそうで、ご夫婦で英会話を習っています。教室通いだけでなく、夫はAIを活用したレッスンができる有料アプリも使っています。ですが、教室は忙しさを理由にご夫婦ともに月に半分ほどしか通えておらず、夫のアプリはもう開きもしていないそうです。
また少しでも収入を増やしたいという希望と、副業を身につければ将来的に収入に困らないかもしれないという期待から、向上心を持ってWebデザインを学んでいると言いますが、こちらも最近は参加できていないそうです。それでも、会費を払い続けている間は自分のペースで進められるから無駄ではないと主張します。さらに、賞状書士になるための書道や、SNS運営のための講座も受けていますが、どれもが頓挫している状況です。客観的に見ると、すべてが中途半端で、期待する成果を出せるほど身についていません。むしろ、月謝や会費など、今払っているお金が無駄になってしまっているように見えます。
「食費、習い事費を見直しましょう」と提案
他にも見直し可能な支出はありますが、優先順位はこの2つの支出が上位です。そのため、食費と夫婦の習い事費を重点的に見直し、貯金を始めとした資産形成を目指しましょうと提案したのですが、「それでは楽しみがなくなる」とか「将来の夢が実現できない」などと言って、なかなか納得してくれません。